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基礎自治体議会は、上記権限を行使するために、主要な活動分野に関して専門委員会を組織するとある。専門委員会の委員には議員だけがなることができ、各々の委員会は1名の議長と1名の書記を選出する。専門委員会は各々の活動分野において、草案を検討し準備する。また、基礎自治体議会は、自らのイニシアティブないし首長の要請に基づいて、決められた期間に限って、諸問題を検討し監査するための特別委員会を組織できる(同法改正案第56条)。

このように基礎自治体の自治は、少なくとも法律においては、広範囲にわたって保障されている。しかしながら、扱う問題やその範囲及び性質、さらには効率性から見て、コミューンや町での取り扱いが不適切と考えられた場合に、県が介入できることになっている(同改正案第7条2項)。また、県議会には基礎自治体議会の活動を、県の利益に関わる公共サーヴィスを実施するために調整する権限が付与されている(同改正案第22条、第104条第1項d)。

さらに、県議会は経済社会発展計画及び環境保護に関する基礎自治体の提案を分析し、それを実現するために必要な措置を、基礎自治体と協力して確立する。また、県議会は基礎自治体と協議して県の都市計画に努力し、道路建設やその維持及び近代化のために、基礎自治体に対して専門的技術支援を行う。加えて、県は基礎自治体の執行機関、専門機関、公共サーヴィス機関に専門的な技術支援を行うとともに、国家交付金を基礎自治体に分配する権限をも有する。基礎自治体で行われる戸籍事務や保護監督を指導する権限も、県に付与されている(同法改正案第104条第1項)。

 

ウ 基礎自治体議会と知事・政府機関との関係

 

知事が国を代表して地方自治体において行使できる権限は、政府の地行法改正案第134条に定められているが、その他に知事が行使できる主要な権限は、2つに絞られる。1つは、政府代表として地方議会及びその首長の活動の合法性を監視することであり(同改正案第132条第1項)、他の1つは自治体に対する省庁や中央専門機関からの出先機関の活動を指導することである(同改正案第133条第1項)。しかしながら、知事と地方機関の間には従属関係はないとされる(同改正案第132条第2項)。

他方、知事が基礎自治体に対して行いうる権限は、緊急議会の開催、補欠選挙の組織、議会の解散、議員資格の停止など、以下のように定められている。

まず、知事は自然災害や公共の秩序維持のために、緊急措置をとる必要があると判断したときは、議会の開催を首長に要請することができる(同改正案第40条第2項)。

 

 

 

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