なかでも、決定面での自治と財政面及び財産面での自治の双方からなる地方自治、さらには決定権及び行政活動を中央機関から地方自治体へと分権化すべき点が強調される。この点に関して、これまで地方予算の大半を占めてきた国家からの配当金を削減して、国家予算からの地方への配当は貧困地域への発展支援金を中心とし、地方予算は地方自治体の独自の収入源で賄うようにする。そのためには、課税対象やその税率などに関する地方自治体の決定権及び裁量権を高めると同時に、地方自治体が資本市場に自由に接近でき、国内や外国を問わず金融機関との自由なクレジット契約を可能とする、法律改正が行われる予定である。
その他、行政改革では、以下の点に注意が払われるべきであるとされる。
―政治的機能と行政的機能を分離する。
―公務員法を制定して、質の高い専門家であると同時に、政治的に中立な上級公務員を確保する。
―政府、省庁、その他の専門機関と地方自治体との関係及び役割・責任分担を明確にすること、省庁のサーヴィスの分権化、政府代表としての知事と地方自治体の議会及び首長との関係を明確にする。
―中央行政機関と地方自治体との間に体系的な情報伝達システムを整備する。
―地方公務員の規模や専門的基準を見直し、専門職員を育成する。
こういった方針に基づいて、これまで以下のような地方行政関連の諸法律が国会で採択された。
―ヨーロッパ地方自治憲章の批准に関する法律(1997年第199号)
―地方財政法(1998年第189号)
―公共財産に関する法律
―譲渡に関する法律
―ルーマニアの地域開発法(1998年第151号)
―基本給及び上級公務員手当の体系に関する法律(1998年第154号)
また、1998年11月の時点で、閣議で承認され、国会で審議中の法案としては、以下のものがある。
―地方行政組織及び地方自治制度に関する法案(以下、「地行法改正案」という。)
―公務員の地位に関する法案
―国民投票の組織及び実施に関する法案
―公共サーヴィスに関する法案
―地域協力に関する欧州憲章の批准に関する法案