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3 調査研究の視座

 

本調査研究では、前述のように、過去3か年度の間に、ロシア連邦、ポーランド、ウクライナ、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアの6か国を取り上げてきた。調査研究の意義をより高いものにするためには、これら取り上げている諸国間の、比較ができることが望まれるであろう。そこで、本調査研究の進めるにあたっては、各国間の比較を可能たらしめるために、各章の執筆者が、それぞれの執筆する章に、以下のような情報をできる限り盛り込むこととした。むろん、各章の視座は、それぞれの執筆者の興味関心も加わり自ずから異なるが、それによって、ある程度の比較と多角的な視点の提供に貢献できたのではないかと考える。

具体的な視点としては、まず国家形成の観点から1]地方制度の構造と単位(階層制、規模、団体数、広域団体の代表制)、2]事務の配分(各政府間の事務分担)、3]首長と議会(選出方法、役割、首長と議会の関係)、4]地方財政(税財源の配分、規模)、5]公務員制度(国地方の区分、公務員数)、6]都市と農村(制度の相違)のあり方を挙げた。もうひとつには、体制移行と制度改革という観点から1]体制移行にともなう必然的な課題として、旧体制の崩壊の後、新たに進むべき方向をめぐっての模索とそれをめぐってほぼ常に展開される闘争の問題、2]党組織や官僚機構などの旧社会主義時代の遺制の残存とその影響の問題、3]制度設計における理想の追求と現実の制約との乖離の問題、4]国ごとに異なる地理的社会的条件、の4つを挙げた。

 

4 調査方法と執筆分担

 

本調査研究を行うにあたっては、調査研究委員会を組織した。本年度の委員構成については、巻末の名簿を参照されたい。調査研究委員会において、以下のように各章の執筆担当者を決定し、各担当者が、それぞれの執筆箇所に係る海外調査や資料調査を行った。それをもとに、各担当者に発表していただき、ディスカッションを深めた。本報告書は、そうした議論をも参考としながら、各担当者の責任をもってまとめたものである。各章の執筆分担は以下のとおりである。

序 ・・・・・・・・齋藤幹事・小林幹事

第1章・・・・・・・森田委員長

第2章・・・・・・・六鹿委員

第3章・・・・・・・木村委員

第4章・・・・・・・竹森委員

第5章・・・・・・・月村委員

第6章・・・・・・・荒井信雄 (社)北海道地域総合研究所理事長(依頼原稿)

資料(翻訳)・・六鹿委員・木村委員・竹森委員

 

なお、海外調査に際しては、自治省国際室はもとより、外務省、在ルーマニア日本大使館、在ブルガリア日本大使館の多大なご支援を受けたことを、記しておきたい。

 

 

 

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