(1) 規制緩和による地域公共交通ネットワークの崩壊(イギリス)
交通の規制緩和は、効率化の旗頭の下に、1980年代半ばにおいて、サッチャー政権時代のイギリスの長距離バスから始まった。
80年代後半になると、同国では、地域のバスにもこれが適用される事となった。しかし、この規制緩和は、各地域でのパス路線網のうち、収益性の高い路線のみの運営を許したために、公共交通がネットワークとして機能しなくなってしまった。すなわち、公共交通の私的交通に対する最大の弱点であるseamless性を、完全に崩壊させる結果となり、環境負荷の削減という観点からは、大きな失敗となってしまった。