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第6章 運輸部門における自治体の地球温暖化対策

 

調査研究委員会 委員

林良嗣

 

1 運輸部門CO2排出将来推計と施策の実施困難性

 

図表1-1 CO2排出量変化の部門間比較1)(1973年=1)

114-1.gif

 

人間活動によって発生する地球温暖化ガスのうち大きな割合を占める二酸化炭素について、1973年から94年の21年間の排出量の推移で見ると、図表1-1に見るように、全部門平均で20%増に対して、運輸部門では90%増と最も伸びている。自動車車種構成比率、輸送総量の増加率、機関分担率のシフトが現在のトレンドで推移し、平均燃費が変化しないと仮定した筆者らの推計(1997)2)によれば、今後対策を講じない場合には、1990年から2010年までの20年間に約40%の増加が見込まれる(図表1-2)。1989年から1994年までの5年間にすでに14.5%増加してしまった事実を見ても、この増加率予測値は決して過大な推計でないことが理解されよう。

 

図表1-2 輸送機関別CO2排出量の変化2)(%)

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