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図表3-3 ドイツの都市計画とLプランの対応関係

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ラントシャフツ・プランは英語直訳の「ランドスケープ計画」と訳されることが多いが、その実態は景観だけではなくレクリエーションや防災、生態系保全なども含み、もっと多様な内容を包含するマスタープランであり、むしろ「都市環境計画」と呼ぶのがふさわしいような内容のものである。ドイツにおいてもその発足時にはランドスケープに力点がおかれていたが、今日のLプランはもっと包括的・総合的なマスタープランなので、呼び名を変えるべきだという議論もされている。

 

オ 対応方向

 

ヒートポンプを用いた地域冷暖房システム、渋滞を解消する高度な交通管制システム、都心部に新鮮な空気を送り込む「風の道」など、個別の技術開発や現象の解明は進みつつある。しかし、これらの「エコ施策」は、道路・公園・河川・下水道といった都市の基盤施設に一体的に組み込まれて効果を発揮するもので、長期的視点に立った都市計画並びに都市環境計画の中に位置付けられる必要がある。

わが国の「都市環境計画」は、やっとそのモデル事業が発足したところである。

今後は、市民と地元自治体が主体的に都市の環境改善に取り組み、具体的な都市デザインとして結晶させていくような、都市経営、地方自治、都市計画のシステムの充実が強く望まれるところである。

 

 

 

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