・コーポート・モデルや社会増減の想定の仕方といった技術的な推計モデルの開発
・事業を実施するための事業フレームと、結果として達成される実際のフレームとの整合性の取り方
などが項目として含まれよう。
また、いくつかの典型的なモデル地方公共団体において、モデル事業として、モデル的に新しいフレーム策定を試行してみることも有効であると考えられる。
(2) 都市計画の事業フレーム
ア 過大な事業フレーム
前項でも触れたように、現場においては、現実の趨勢に比べ、とかく事業関連部局の将来見積もりが大きめになるのが普通であり、市街化区域の設定や都市基盤整備の範囲は、最大限の可能性を目途に線引きされる傾向にある。
既に、これまでの事業実績をみても、市街化区域内に大量の農地が残存するなど、事業実施のための計画範囲は、必ずしも実際の市街地として完成する範囲とは一致していない。そのうえ、これから市街化を進めようとしている都市周辺地域は、そもそも人口密度も低く、公共下水道の整備などには多大なコストと建設資材、エネルギーが必要となり、竣工した後にも市街地が100パーセント埋まるわけではない。
実際の計画策定を支援している民間コンサルタントによると、経験的に、土地区画整理事業を行った場合、基盤整備が終了して事業が竣工したあと、過半の宅地に建物が建つまでに20〜80年を要するのが普通である。
従って、もし現時点で竣工したとしても、そこに計画人口に見合う人口が張り付くのは20〜80年先であり、それまでどこの自治体でも人口が増え続けるわけではなく、道路や下水道の維持管理や義務教育施設等は、それまで過大投資として自治体の財政を圧迫するのみならず、下水処理プロセスの運転など広い意味でエネルギーの過大消費になる恐れが十分にある。