出典:(社)日本ガス協会パンフレット
ウ 地域冷暖房
地域冷暖房とは、エネルギープラントで、冷水、蒸気、温水などの温媒をつくり、配管を通して一定地域内の複数ビルに必要なだけ供給し、冷暖房や給湯を行うシステムである。図表2-9に地域冷暖房の導入推移を示す。導入された当初は、個別ビルの設備を集中し、燃料の良質化、ボイラの大型化を図ることでSOx、NOx、CO、ばい塵などによる大気汚染を防止することであった。現在ではこれに加えて、供給対象が事務所、ホテル、病院、店舗等、多岐に亘ることから負荷の平準化ができること、そして大型機器の採用や機器の群管理制御により、効率のよいエネルギー供給ができることが注目されている。
更に、清掃工場の廃熱や年間を通じて大気に比べて温度変化の少ない河川水や下水の保有熱など、未利用エネルギーを活用しやすいのも地域冷暖房の特徴である。