交通エネルギー消費量の大部分を占める自動車を利用することで消費されるエネルギー量が最も多いのは、都心に住んでいる人でも、都心から最も遠い郊外に住んでいる人でもなく、都心周辺に住んでいる人である。しかし交通のために消費されるエネルギー量で見ると、自動車利用によるエネルギー消費量では、都心に住んでいる人と同様に少なかった遠い郊外に住んでいる人の交通エネルギー消費量が、自動車利用によるエネルギー消費量の最も多い都心周辺に住んでいる人とほぼ等しくなってしまっている。つまり郊外に住んでいる人が交通で消費するエネルギー量は、自動車を利用することで消費するエネルギー量では、都心に住んでいる人とそれ程違わないが、交通エネルギー消費全体では、鉄道等の大量交通手段の輸送効率の低下と移動距離の延びの相乗効果で、都心に住んでいる人に比べ多くなってしまうのである。