(2) 住居場所とエネルギー消費
1つの都市の中でも、住居場所によって交通のために消費するエネルギー量に違いが存在すると考えられる。しかし都心に住んでいる人と郊外に住んでいる人のいずれの方が交通エネルギー消費量が少ないのかは、直感的には判断ができない。都心には魅力的な場所や交通手段が整備されているので、都心に住んでいる人の交通エネルギー消費量が多いとも考えられるし、郊外は道路混雑もなく自動車が使い易いし、通勤先や買物先も近くにない場合が多いので、郊外に住んでいる人の交通エネルギー消費量の方が多いとも考えられる。
東京都市圏を都心からの距離に加え、道路網と鉄道網の形態を考慮して、図表2-2に示す6つの地域に分け、各地域に住んでいる人の1日当たりの交通エネルギー消費量を交通行動の実績データを基に推計した研究によると、この問への答えは、どちらが多いと一言で言える程には単純ではない。