(1) 人口密度とエネルギー消費
世界の主要32都市を対象にした研究をはじめ幾つかの研究が、交通のために消費される人口1人当たりのエネルギー量は、都市人口密度が高くなるに従って減少する傾向が存在することをデータを基に実証的に示している。(2)(3)
さらに前述の研究で公表されている32都市のデータに、道路形態、及び鉄道形態等の都市構造を表わすデータを新に付加して行われた研究によれば、図表2-1に示すように、鉄道が線ではなく、網として整備されている都市と整備されていない都市では、同じ人口密度の都市の中でも、1人当たりの交通エネルギー消費量に違いが存在し、網として鉄道が整備されている都市の方が交通エネルギー消費量が少なくなる傾向が存在していることが示されている。
さらに道路形態については、放射環状型の道路網を有する都市の方が、格子型の道路網を有する都市よりも、1人当たりの交通エネルギー消費量が少ない傾向があること、及び都市人口1人当たりの道路の延長が長い都市ほど、1人当たりの交通エネルギー消費量が多くなる傾向があることが示されている。(4)