エ 人材の活用
最近の取組として、職員のインセンティブを高めつつ、人材育成との相互連携を図るような、各地方におけるユニークな事例を調べてみた。
(ア) ポストについて庁内公募制
横須賀市において、職員に対して、都市景観担当課長とスタッフを募集したところ、23名の応募があり、4名が採用された。また、同市において、芸術劇場と文化会館の運営に携わる職員を募集をしたところ、9名の応募があり、3名が採用された。
静岡県においても様々なポストを募集しており、中には、各職員の趣味を生かせるような仕事もある。平成10年度には、全体で92名の応募があり、約4分の1が登用されている。その他、技術職と事務職の交流、事務職の福祉職転換などにも取り組んでいる。
(イ) 挑戦加点
北九州市では、職員のやる気を出していくという観点から、挑戦加点という制度を平成5年度から行っている。制度の目的は、与えられた職務だけを遂行するものではなく、自らの意思と工夫により現状を乗り越えるために目標を設定し、どれだけ挑戦し、努力し、成果を上げたかを評価することにより、挑戦意欲あふれる職場づくりを目指すことである。
(ウ) 自己申告制
群馬県大泉町では、部長選考に自己申告制度を採用、岩見沢市では、自己提案型承認制度を試験的に導入、三重県では、意欲ある職員を登用するための自己申告制度などの動きが表れている。
(エ) 部下が上司を評価
滋賀県野洲町、御殿場市では、部下が上司を評価する方法を取り入れている。野洲町の場合、評価書は人間関係に配慮して、評価書を見ることができる役職者を町長と助役のみに限っており、人事異動の参考資料として活用しているとのことである。わが国では部下による上司の評価は民間企業においても普及度は低いものであり、今後の動向が注目される。