(オ) 行政専門職の導入
職員のインセンティブ、高齢職員対策の観点から、東京都では専門職制度を導入している。これは、受験資格45歳以上56歳未満、専門職員職務歴10年以上の職員を対象に募集し、中身は専門分野について各課の職員に対して助言、助力を行うもので、スタッフ的に仕事を行う制度である。また、横浜市でも東京都のような制度を設けており、このような方法で徐々に高齢職員の増加に対応するための制度の活用が進むと考えられる。
(カ) 能力・実績主義の導入
岐阜市では、給与制度に能力、実績を反映させており、特に各役職の勤勉手当に評価を反映させている。こうした動きは、千葉県鴨川市、大阪府高槻市、東京都、札幌市でも進んできている。
オ これからの公務員の人事管理のイメージ(人事院の研究会の報告書より)
これから国においては、左側の三角形の仕組みから、右の丸い仕組みに変えていこうというものであり、この方法としては、一定の年時から職をライン職コースと専門職コースに選択させ、多種多様なコースを設けることで、できるだけ長く公務員制度の中で人材活用を図っていく仕組みである。東京都など幾つかの専門職コースの事例も、この発想に基づく部分がある。公務員についてはポストが詰まっていく状況があるので、この仕組みにより結果的にポストが空けば、組織の活性化につながる状況が出てくると思われる。(図表2-24参照)