面接の回数を増やして人物重視採用を徹底したり、職員採用の面接官に民間人を登用したり、各団体も採用に工夫・努力をしている。
イ 中途採用・職員派遣
中途採用や職員派遣は、特に中小市町村においては、これからの即効薬になっていく部分があると思われる。
中途採用については、給与体系の点で採用者の収入が減ってしまう点が心配されたりするが、総じて中途採用を行っている団体においては、比較的良い人材が集まっているとの評価が多い。
職員派遣については、お互いの親睦を深めるため地域連携軸という観点で職員派遣を行う例もあるが、阪神・淡路大震災においては、各県が共同して兵庫県に職員派遣を行った。一般的に職員派遣は、自治体においてポストが少なく、専門職を受け入れることが人事政策上難しいという状況において活用し得る有効な方法となっているようである。
ウ 人材育成
従来、地方公務員に研修が求められていたのは、効率的に事務を行うことは住民に対する責務であること、行政の複雑・専門化に対応する必要性があること、職員増を抑制するための労働生産性の向上の必要性があることが理由として挙げられている。このことから、公務員に要求される能力は、何をおいても実務的な業務遂行能力であったものと思われる。
これに対して、最近の研修においては、職員に求められている能力の変化に対応して、研修内容にも変化が見られる。(図表2-21、2-22参照)
小規模市町村においては単体で高度かつ専門的な研修は難しい状況があり、市町村が集まって共同研修を行う体制の整備が進んでいる。(図表2-23参照)