日本財団 図書館


現在、実際にホームヘルプやデイサービスを利用していても、非常に介護度の軽い寝たきり予備軍と呼ばれる人は、介護認定されない可能性があり、保険料を払っていてもサービスを受けられないという不満が出てくる可能性がある。

4]は、日本の高齢者特有の部分であるが、現在無料でサービスを受けている人が多いため、そのような人が1割負担になるともったいないからサービスを受けないとなると、寝たきりを防止するための介護保険がうまく機能しないという問題がでてくる。

 

(イ) 在宅福祉関係(ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイの供給者等)

1] 最高給付額29万円で、24時間対応のホームヘルプなどが供給できるか?(=認定以上のサービスを利用する場合は、差額は自己負担か市町村負担になる。あるいはサービスの切り下げになるのか。)コストとサービスの質に対する意識が生まれる。

2] ホームヘルパーの責任拡大と労働条件の問題(ex.夜勤早朝、土日勤務が加わる)

3] ケアマネージャーの養成

4] 都市部では様々な民間団体(住民参加型組織や民間企業など)との競合と連携

 

1]は、介護保険が国会を通った頃、よく新聞に出ていた問題である。現実の例だと1日6回ホームヘルプを利用している人に、1か月54万円を使っている市がある。介護保険が始まった場合、この人は間違いなく最重度と認定されるだろうが、それでも最高給付額は29万円である。54万円との差額部分について、自己負担になるのか、市町村負担になるのか、又はサービスを29万円まで切り下げるのか、経営努力により供給できるようにするのか、という問題である。

2]は、ますますホームヘルパーの業務が拡大し責任が重くなる場合に、結果として厳しい労働条件を強いることとなるのではないかという懸念である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION