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ウ 効果的な介護、効率的な介護

国表2-11のように高齢化率が上がれば医療費は上がるというのが世の中の流れである。しかし、スウェーデンでは1982年に「社会サービス法」を導入してから、補助器具センターを設置したり、24時間ケアを普及させて、できるだけ高齢者に家にいてもらうという施策に力を入れてきたため、医療費が軒並み上がるということはない。

図表2-12は、高齢者福祉と医療費の比重を表しているものであり、スウェーデンでは医療より福祉に力を入れる流れがあるが、まだまだ日本では医療に偏っている。日本は高齢者に関する福祉について予算的に1割しか使われおらず、これを拡大していくために介護保険は大きな役割を持つものと思われる。

 

図表2-11 GDPに占める医療費の推移(スウェーデンとアメリカ)

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図表2-12 高齢者福祉と医療費の関係(スウェーデンと日本)

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(注)日本:老人医療費53,730億円、高齢者福祉費5,106億円

スウェーデン:老人医療費483億クローナ、高齢者福祉費258億クローナ。

資料:日本:社会保障研究所「社会保障給付費」(1989年)

スウェーデン:「政府報告書 DS:27」(1989年)

 

 

 

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