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図表2-10 スウェーデンにおけるホームヘルプの歴史

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イ ホームヘルパーの戸惑い ―日本―

現在、日本の現場で働いているホームヘルパー、特に15、20年といったベテランのホームヘルパーは、スウェーデンにおけるこの40年間のニーズの変化を、1人で一瞬のうちに体験してしまうという状態にある。勤め始めた頃のホームヘルプは、1日1〜2軒を訪問して食事を作ったり、洗濯をしたりといったものであり、今のように土日に出勤するとか、ましてや夜勤がある職種とは思っていなかったという話が多い。

日本での制度発足当時(1960年頃)、最大で週3回、1回の訪問時間は約2時間という滞在型が主流であった。現在、週4回以上、毎日でもホームヘルパーが必要な人は大勢いるが、こうした人々に対するホームヘルプの供給が当初は想定されておらず、施設入所するものとされていた。この滞在型が続いてきたのは、ホームヘルパーの数も少なく、対象者が一人暮らしや高齢世帯で家事援助が中心であったためであるが、近年は急速に身体介護に重点が移りつつあるため、ホームヘルパーは夜勤や土日出勤も要求されるのである。

このようにベテランのホームヘルパーは非常に大変な立場にあり、頭の切り替えが難しいのではと想像するが、これからホームヘルパーになろうとする人は、ホームヘルプ自体がその様な仕事だと最初から思っているので、抵抗は少ないかもしれない。

 

 

 

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