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するのではなく、土地区画整理事業を行い、換地として新しく区画を整理していく中で、鉄道線路などの用地を生み出すという、宅地開発と鉄道整備を両立、一体化させているのがこのプロジェクトの特徴である。

 

4] 東京湾横断道路

道路公団、民間、自治体で3分の1ずつ出資した東京湾横断道路株式会社が道路公団の請負により道路の建設を行い、開通後に道路を道路公団に引き渡した。ただし、引き渡しの後も、実際の道路の管理については、この建設を目的とする東京湾横断道路株式会社が行っている。

 

5] 新宿駅南口地区基盤整備事業

JRが駅ビルを建設し、そのビルに公共駐車場などの公共部門も入るプロジェクトである。公共施設と民間施設が一体的に整備されることにより双方の事業費が低減されるものであり、官民協調のプロジェクトとして日本型PFIと言われている。

 

(3) まとめ

以上、PFIのメリット・デメリットなどを見てきたが、PFI本来の趣旨が活かされる形でわが国に導入するためには、ただ単純に手法を真似るのではなく、法制度や慣習などを含めた見直し・整備が必要となると考えられる。

まず、事業の実施過程において民間的な創意工夫が本当に発揮できるのかという点である。わが国において過ぎたる公的規制や中央省庁の縦割監督が存続すると、住民に望まれる施設を自由な発想で弾力的に計画・整備することが難しい(例えば、幼稚園・保育園の合同運営)場面が出てくるおそれがある。

また、民間事業者が自分で積算を行い自己責任で事業を行うことができるかどうか、行き詰まった時にプロジェクトを中止して会社をつぶすことができるかどうかである。昨今は、公共事業においても「時のアセス」導入などの動きが出てきている。PFI事業においても当初の見通しどおりに行かない場合や事情変更があった場合に、中断・変更などが臨機応変な対応が難しく、収益性などの点での失敗が判明しても公的資金を漫然と投入し続けて会社を延命させるようでは、PFI導入の意義がないこととなってしまう。

わが国にPFIを導入するに当たっては、こうした問題点についても幅広く捉えて、更に深い検討が行われる必要があると考える。

 

 

 

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