第2章 個別論点 (行財政システムのあり方)
―新たな手法・分野・人づくリ―
第1章では、地方分権時代の行政サービスの供給システムについて基礎的自治体の自己再編成力の充実という観点から、地方公共団体の枠組みや行政体制全体について検討を行った。
そこで、第2章においては、総論を踏まえ、個別の行政分野における地方分権時代の行政サービスの供給システムのあり方について検討することとする。
1 新たな手法(PFI等新たな行政手法の検討)
第1章で検討した行政改革、市町村合併は、あくまで公共財の供給者は行政であるという前提にたっての議論であったが、英国においてはPFIという民間活力、民間資金を導入した形での行政サービスの供給が行われている。日本でもPFI方式についての検討は始められており、1ではPFI等新しい手法を活用したまちづくりについて検討を行う。
2 新たな分野(介護保険導入に向けた体制整備)
介護保険への対応は、地方分権時代の地方公共団体のゆくえを占う試金石である。従来なかなか進まなかった広域連合の活用なども、介護保険の分野では大きく進もうとしている。そこで、2では介護保険を題材にして、行政サービスの供給システムのあり方の検討を行う。
3 新たな人づくり(地方公務員制度のあり方)
介護保険やダイオキシン問題など、地域の行政ニーズが多様化、高度化する一方で、わが国の社会経済状況にかんがみれば、職員の数、予算の急激な増加は期待しずらいという状況もある。このため、自律、自己責任の原則の下、限りある資源を最大限有効活用するべく知恵を絞ることができる人材を、いかにして育成・活用することができるかが、これからの行政サービスの供給システムを支える核心部分である。そこで、人づくりの問題は第1章でも触れたが、改めて3において検討を行う。