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これを第4層の自治体と考えることができるか検討が必要であるが、大都市でのこうした議論と、過疎地域で市町村合併をして、自治が遠くなるので、4層目の自治体をつくって一部返しましょうという議論とは一緒にできないと思われる。

 

3 地方分権論と基礎的自治体との関係

○基礎的自治体のやらなければいけない仕事が一律に決まっているという前提に立てば、生産効率性の問題にのみ焦点があたる。一方、やらなければいけない仕事を一律に決めるのではなく、何をやるかはバラバラで自治体ごとに決めるとすると、考え方が異なってくる。この場合は、財政についても、全部自主財源で行いなさいということになる。

 

○コミュニティや基礎的自治体の意思を重視した場合、例えば、一部の富裕かつ面積的にも人口的にも小さな自治体が、固定資産税を無税とするようなことが認められてよいのかという問題が出てくる。また、コミュニティや基礎的自治体の多様性は確保されることになるであろうが、生産面における効率性の観点からはロスが大きくなるという問題がある。すなわち、地方分権は本来お金がかかるのである。合併を議論するには、分権的にして、かつ規模の経済性も発揮できるような最適なところを探すといった視点も必要である。

 

○今の地方分権論は基礎的自治体に地域社会づくりを付託するいわば付託分権論のような考え方が暗黙の前提としてとられているが、アメリカ的に、財政的にも独立させて全部そこに意思決定権を認める財政独立分権論の考え方もあり、財政学・経済学的には後者の考え方がスタンダード。わが国の現実として後者は取りえないのであろうが、議論する必要はあるのではないか。

 

 

 

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