論点メモ
1 そもそも「コミュニティ」とは何か
○これまでのコミュニティ概念は、お祭りとか親睦といった社会学的観点が重視されていた。しかし、制度的な観点を取り入れて、福祉サービスを提供するとか、何か政治的意思決定を行うまとまりとしてコミュニティを考えてもいいのではないか。そうなると、重層的な地理範囲をコミュニティの適正規模として考える必要が出てくる。
○最近は機能的コミュニティが地域的コミュニティより人気があるとしても、機能的コミュニティのみで社会の基本的なニーズを支えることは難しい。義務感に支えられているに過ぎないのかもしれないが、地域的コミュニティが現在果たしている役割を基底としつつ、機能的コミュニティを包摂していくことが21世紀の望ましい形か。
2 第4層としてのコミュニティ
○コミュニティに制度的な観点を取り入れた場合、第4層の自治体としてのコミュニティというのは検討に値する。例えば、ドイツでは、第4層の自治体が全州にある。きっかけは市町村合併であった。今後、どのような内容を担わせるべきか、範囲を重層的に考える必要がある。
○町内会は1920〜1930年代において、脱政治化させられ、戦後GHQにより、町内会という名称も使えなくなった歴史的経緯がある。これを考えると、町内会を第4層の自治体として自主的な意思決定の主体とするのは難しいとの意見もあるが、これから市町村合併を進めていくには検討が必要なのではないか。
○大都市では、住民にとって自治というのが見えにくくなっており、自分で決めたファクターが何かないと統治が正常に機能しないということから、政令指定都市の区が始まったとも考えられる。