論点メモ
1 行政と民間の対比でみた行政改革
○行政のやり方は民間より30年遅れている。地方行革で業務効率化を図り説明資料を2枚にする施策があるが、ホンダは25年前に1枚にしている。行政評価は職員の意識改革が究極の目的という考え方も、企業ではマニュアルづくりの基本の考え方であり、その過程で良い職員提案が出てくるという方法と同視できるのではないか。
○民間ビジネスの場合はある程度の数の顧客が支持してくれれば進むことができるが、行政の場合は、地域社会なり、国なり全体が承知しなければ進めない。そして、間違いがあってはいけないということで完全主義的になる。こういった点が行政の動きが遅いと言われる理由ではないか。
2 住民参加型行政の可能性(官と民の役割分担の見直し)
〇身近な例では、公園にどのような施設を設置するかコミュニティの意向を全面的に採用し、地方公共団体がお金を出して建設するが、維持管理は費用負担も含めてコミュニティに委ねるという方法もある。もっとも、事故などの問題を考えた場合、現行法制度上どこまで可能かは検討する必要がある。
○阪神・淡路大震災の時の最初の3ヶ月間は、住民が行政に参加するということが現実にあった。行政自身が住民に助けてもらわないとどうにもならなかったためとも言えるが、都市でも自治意識、コミュニティ意識はあるというのは事実。平常時に出てこないのは、行政が抱えすぎているからではないか。
〇非常時には自治意識にリアリティがあっても、平時にも出てこなければ意味がない。平時であっても、まちづくりの部分で成果が上がれば、リアリティが感じられる。ただ、コスト・ベネフィットの観点から考えた場合、有能であればある人ほど時間の価値が高いため、参加させるには工夫が必要。