日本財団 図書館


(3) 安全管理業務の標準化

ISMコードに基づき、船舶の安全管理業務に関し、責任・権限の明確化、業務のマニュアル化等を行うことにより、1つの管理会社内において、個々の船舶の安全管理業務の標準化が図られることとなり、これまでの「個人の技」に頼ってきたものが、一定の能力のある人(免状、教育等)なら誰でも業務に就くことができる仕組みとなる。現在のトレンド(混乗化の進展、雇用制度の変化(終身雇用制度の崩壊)等)を考慮すると、安全管理業務の標準化は企業にとって重要であるとともに、混乗化の進展や人員の移動・交代があっても安全のレベルの低下を防止できることから、安全の確保の観点からも重要である。

 

3. ISMコードへの期待

ISMコードに基づく安全管理システムは、そもそも管理会社によって組織がまちまちであること、管理船舶の種類、数、大きさ等がまちまちであること等から、管理会社が自分の会社にあったシステムを自ら構築する必要がある。
そしてそのシステムを自ら改善しながら船舶の安全確保・環境保全を図っていくものである。国又は船級協会は1]SMSがISMコードに適合していること、2]管理会社がSMSを有効に実施していること、を検査によって確認するが、各々の管理会社は証書を取得したことのみに安心してはならない。管理会社は、安全管理システムを日々改善し、かつ、有効に活用することによって、船舶の安全確保と環境保全に努められることを期待する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION