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4.2 新しい進水方式(二段滑台方式)

本進水方式は、横浜国立大学が考案・開発したもので、従来の進水方式の弱点となっていた滑台端部で生ずる拘束落下運動時の船首下げ回転運動を除去することを狙っている。これにより、救命艇は最適な姿勢を保ったまま海面に着水するため、実験等によって性能を確認することができた。今後、自由落下式救命システムの新技術として海上における人命の安全に貢献すると期待される。

 

参考文献:荒井誠、岡崎一成: 自由落下式救命艇の新しい離脱方式について、関西造船協会誌、第229号、pp.189-195、1998.

 

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図4.2-1 二段滑台方式概要

 

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図4.2-2 自由落下運動の比較

 

4.3 進水・離脱・回収システム

(1) 船体の横傾斜時に滑台の構造によっては、艇の進水がスムースに行なえないのではと危惧されたが、これに対する対策として、滑降台サイドにガイドローラーを設ける方式を大型模型実験に採用し、問題ない事が確認された。

(2) 回収システムは机上検討のみで実施されたが、下記の新規提案がなされ、検討の結果、安全・迅速な回収システムの構築は可能であると考えられる。従って、救助艇兼用のシステムにも展開できる可能性が見出せた。

回収時の問題点は、本船船尾へ艇を如何に接舷させるか、荒天時に動揺する艇の乗員が如何に安全かつ迅速に吊上げ索を艇へ結合させるか、吊上げた艇の振れ防止と如何に架台上に上架させるかである。

本船船尾へ艇を如何に接舷させるかについては、トーイングウインチで船尾端のダビットの真下まで引き寄せるか、あるいは、船側に艇を寄せてジブクレーン方式で吊上げ上架させる方式が考案された。

艇への結合要領は、艇側にガイドパイプを装備し、吊上げ索のスリングビームをガイドパイプに預け、運転席から結合操作を行なう案が提案された。

吊上げた艇の振れ防止と如何に架台上への上架方法はスリングビームのダビットへの固定と架台上にガイドを設置する事で対応可能と考えられた。

なお、L型アーム方式およびジブクレーン方式について試設計も行なった。

 

 

 

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