3.国際コンベンション参加者の足を周辺観光地に向けさせる
アンケート調査結果より、コンベンション参加外国人のアフター/オフコンベンションへの参加は約5割であり、かつ関心は潜在的に高いということが分かった。しかし滞日時間が少ないなどの理由により参加していないコンベンション参加者も多く、また、各機関・施設での外国語対応力の不足を指摘する声もあった。これらの問題に対処する各種の環境整備を進めることが、アフター/オフコンベンション振興のために有効であると考えられる。
外国語対応の環境整備(案内表示、観光案内等)
○案内表示、地図表記等への複数言語記載の促進
コンベンションビューローや会場施設が配布するガイドブックや地図上での外国語表記について、英語はもちろんのこと、参加者の多い国の言語(中国語、韓国語など)と日本語(漢字)との併記を進める。
○街中や交通機関での案内表示の改善
コンベンション施設や宿泊施設以外でも、街中の案内表示、サインシステム等について外国語対応が不足しているとの指摘が多いことに対応するため、各自治体において複数言語での分かりやすい案内表示システムを整備することをめざす。
○観光案内ボランティア団体との協力の推進
コンベンションビューローは観光案内ボランティア団体との連絡を密にし、積極的な協力を求める。協力団体に対しては、ボランティア団体が施設を利用する際の料金の優遇など、インセンティブを用意することも必要と考えられる。
多様な観光モデルコースの提案と情報源の強化
○参加者ニーズのセグメンテーション化による観光モデルコースの提案
コンベンションビューローで会場施設・宿泊施設を起点とする、テーマ・時間・費用別の観光テーマルートを複数作成し、交通アクセス情報等と共にパンフレット等により紹介する。
来日後のPRはもちろん、主催者に対してのPRや「関西コンベンションホームページ」(仮称)を活用するなど、幅広くPRを行う。
例)・時間のない参加者向けの、短時間で巡る観光コース(会場ごとに)
・参加者の希望するコースのカスタムメイド(会期以前に予約)
・会期スケジュール中に関連するテーマでの観光コース
○観光モデルコース上の関係機関への協力依頼
観光モデルコース上の交通機関や観光施設に対して、コンベンションビューローからアフター/オフコンベンション振興の主旨を説明し、参加外国人対応への協力を求める。
語学については簡単なマニュアルを設けるとともに、コンベンションビューローなどに電話窓口を設け、問題発生時にはコンベンションビューローへ電話してもらうなどの対応を工夫する。
○ インフォメーションセンター、ホテル、交通機関等における観光情報提供機能の充実
観光案内所や宿泊施設等において、観光モデルコースについてPRを行うと共に、交通機関の利用方法や料金の案内を行うなど、より広範・多様な観光情報を提供できるように仕組みの整備を進める。