図8-1は、中・長距離フェリー事業を「貨物重視か旅客重視か」「コスト重視かサービス重視か」によって4区分し、それらの区分に該当する事業形態を想定したものである。
現在、近畿に発着する中・長距離フェリーは、旅客と貨物にほぼ同じくらいのウエイトをおき、コストを重視しつつも、サービスについても意識した形態としている(図8-1ではすべての区分にまたがる)。規制緩和後の予想される形態としては、ここでは5つの形態を示す。まず、?低コスト旅客フェリー」は旅客と低コストを重視する形態でありAの区分に入る。?RoRo船」は、貨物と低コストを重視する形態でありDに入る。Cの貨物とサービスを重視する形態としては?高速貨物フェリー」が考えられる。旅客重視で、高い水準のサービスを提供する形態としては?超高速マイカーフェリー」と?クルーズフェリー」というBの形態が考えられる。
表8-3は、これらの形態の特徴を整理し、「規制緩和後の中・長距離フェリーの形態と特性」としてまとめたものである。