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うを重視する傾向が強まっている。ヒアリングにおいても、この傾向は景気が大幅に回復しない限り今後も続くと見込まれている。

フェリー船社の現況評価をまとめると表6-2のとおりである

 

表6-2 フェリー船社の現況評価

 

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2)規制緩和によりフェリー業界に生じると考えられる変化

1]フェリーの需要見通し

フェリー業界では需給調整が撤廃され、参入・撤退が自由化されることとなる。この点についてフェリー船社の意向は「参入が自由化されても、新しい業者が参入してくることはまずないだろう」である。その理由としては、現在の旅客フェリーの採算性の低さをあげている。現在、規制されている「貨物フェリー」については、既存フェリー船社が既存航路へ参入する可能性はあると考えられるが、旅客フェリーへの新規参入はむずかしいという意見がほとんどの船社からあがっている。

近畿発着のフェリー船社のトラック航送は、北海道〜関東航路に比べて、有人の割合が大きく、中距離の四国航路では車なしで乗船する旅客も多い。これらの点から規制緩和により直ちに旅客を切り捨て、貨物フェリーへ特化するという動きはないものと考えられる。近畿発着航路は規制緩和後も現在の方式(旅客+貨物)が引続き主流を占めるという見方をとる船社が多い。

しかし、航空、JR、陸走との競争を考えるとき、フェリーによる旅客輸送はジリ貧になると考えられる。したがって、今後は貨物(トラック)を主たる利用層とした運航体制にならざるを得ないという意見も目立つ。

また、他の輸送手段との競合に勝つためには、フェリー船社間での業務提携や合併で対抗す

 

 

 

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