そのため、既存事業者は、これまでの戦略(黒字路線から得た利益でローカル線等の不採算路線の赤字を補填)を改めざるを得なくなっており、平成10年12月から日本エアシステムは22路線、全日空は12、日本航空は11の路線を運休している。また、グループ会社(子会社)への移管も進めている。その一方で、利用距離による優待制度(マイレージサービス)を拡大し、自社利用客の固定化や運賃に見合うサービス水準の検討も進めている。
図4-1 定期航空事業への新規参入に対する既存事業者の戦略
新規参入事業者の運航便数が少ないため、既存事業者への影響は比較的小さいといわれているが(若干の落ち込みが認められる程度=日本航空)、新規参入をきっかけとする価格引き下げ競争は既存事業者の採算性に大きな影響を及ぼすと考えられる。
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