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第4章 航空旅客輸送における規制緩和の影響

規制緩和によってフェリー業界にどのような変化が生じるかを推定するために、旅客輸送業界に導入された規制緩和の影響事例を取りまとめる。

 

1.我が国の定期航空運送事業の事例

定期航空運送事業への参入規制の緩和により、35年ぶりに新規参入事業者が出現した。平成10年中にスカイマーク・エアラインズと北海道国際航空(エア・ドウ)が新規参入し、東京〜福岡、東京〜新千歳に運航を開始した(表4-1)。新規参入事業者は、既存事業者の運賃よりも大幅に安い運賃で利用者を吸引しているが、既存事業者も特別割引運賃の導入等で新規参入者に対抗する戦略を導入している(図4-1)。

 

表4-1 国内定期航空運送事業への新規参入状況

 

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既存事業者の戦略は「価格には価格で対抗」であり、新規参入が生じた直後に最大の割引率が50%になる「特定便割引運賃」を導入している。特定便割引運賃は、利用の前日まで購入が可能で、需給状況や他社との競争状況に応じて割引率を設定する。

既存航空3社の国内線の旅客キロ当たり平均運賃は下落し続けており、96年に導入された幅運賃制が下落に拍車をかけ97年度の3社の平均運賃は90年度に比べて17%以上も下落している。さらに平成11年には国内航空運賃の下限規制が撤廃される見通しで、運賃競争は今後はますます激化すると考えられる。

新規参入事業者は、低運賃を設定する根拠としてサービスの簡素化によるコストダウン(チケットレス制度、機内サービス体制の簡素化、パートの活用など)をあげているが、既存事業者が現状のサービスのままで価格競争を行うとなると採算面では不利になる。

 

 

 

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