既存事業者の戦略は「価格には価格で対抗」であり、新規参入が生じた直後に最大の割引率が50%になる「特定便割引運賃」を導入している。特定便割引運賃は、利用の前日まで購入が可能で、需給状況や他社との競争状況に応じて割引率を設定する。
既存航空3社の国内線の旅客キロ当たり平均運賃は下落し続けており、96年に導入された幅運賃制が下落に拍車をかけ97年度の3社の平均運賃は90年度に比べて17%以上も下落している。さらに平成11年には国内航空運賃の下限規制が撤廃される見通しで、運賃競争は今後はますます激化すると考えられる。
新規参入事業者は、低運賃を設定する根拠としてサービスの簡素化によるコストダウン(チケットレス制度、機内サービス体制の簡素化、パートの活用など)をあげているが、既存事業者が現状のサービスのままで価格競争を行うとなると採算面では不利になる。