・通関予備審査制度等、一層の利用促進
予備審査制度とは、航空、海上貨物とも日本に到着する前や食品輸入届け等の輸入関連手続きの終了前であっても、輸入申告書類を税関に提出し審査を受ける制度である。
これにより、貨物の到着後の審査時間を省くことができ通関の時間短縮が可能となる。
現在、神戸税関の場合、海上で約1割前後、航空で約2割前後の利用状況となっている。東京等に比べ利用率が低くなっていることから、今後、必要とする荷主、通関業者等に対してPRを実施し一層の利用促進を図る。
第5回輸入手続の所要時間調査
・調査期間:平成10年3月16日(月)〜22日(日)[1週間]
・調査対象:上記期間に全国の主要税関官署に輸入申告のあったもののうち、約4千件(航空、海上各2千件程度)を無作為に抽出
・調査方法:入港(貨物の到着)、保税地域への搬入、税関への輸入申告、輸入許可の日時などについて、関係機関等の協力を得て調査
○海上貨物
船舶の入港(貨物の日本到着)から輸入許可までの輸入手続全体に要する平均時間は、3.6日(約86.7時間)と2年前の調査(4.0日)に比べ、約10%短縮している。
特に、輸入申告から輸入許可までの税関手続に要する平均時間は、5.6時間(約0.2日)と2年前の調査(10.2時間)に比べ、概ね1/2に縮小しており、迅速化が図られている。これらは通関情報処理システム(NACCS)導入官署の拡大、予備審査制の利用拡大、NACCSと他省庁システムとのインタフェース化などによるものと考えられる。
○航空貨物
航空機の入港(貨物の日本到着)から輸入許可までの輸入手続全体に要する平均時間は、1.3日(約31.5時間)と2年前の調査(1.9日)の概ね2/3に縮小している。
また、輸入申告から輸入許可までの税関手続に要する平均時間は、0.7時間(約40分)と2年前の調査(1.8時間)に比べ、1/2以下に縮小し、大幅な迅速化が図られている。これらは成田・原木仕分基準の解消、航空貨物に係る到着即時輸入許可制度の導入、NACCSと他省庁システムとのインタフェース化などによるものと考えられる。