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サミットでは、協議の後に、「共同声明」や「合意事項」が発表される。表6にはそれの概要を示した。人材・文化交流および地場産品の共同販売が毎回確認されている。開催地の自治体の要望が尊重されている。

今年度(10年度)のサミットは、当南郷村で開催された。そこで合意された事項を下に示そう。

 

第九回全国南郷サミット合意事項

一 地域PRと物産物流通について

それぞれの町村に窓口を設けると同時にパンフレットの作成を行いそれぞれの町村の特産品を販売する具体的システムを確立する。

一 青少年交流のあり方について

青少年交流の重要性を鑑み、各町村のイベントを利用した青少年交流を積極的に推進する。

地域交流を積極的に進める意味から各学校から姉妹町村交流コーナーを設けるとともに今後のサミットにおいてPTA分科会を開催する。

一 自然環境について

自然環境、福祉問題の重要性を認識し、今後とも5つの町村との情報交換を積極的に行い各町村の課題に対処する。

一 交流と地域づくりについて

交流については今後、民間レベルの交流を主流として各分野での交流を推進する。

三巡目の全国南部サミットについては、今後新しい方法で行うことを前提に検討する。

 

今回の合意事項の特色は次の3点にあると思われる。まず第1に、従来からとり上げられていた「地域PRと物産物流通」および「青少年交流のあり方」については、具体的かつ可能な取り組みが提起されていることである。第2は、新たに、「自然環境」および「交流と地域づくり」が、内容が抽象的で必ずしも具体的提案となっていないが、とり上げられていることである。第3に、三巡目のサミットのあり方の検討が合意されていることである。これら3つの特色は、9回のサミットを踏まえて、このサミット自体が具体的行動の必要を生み出すとともに、そのあり方を再検討する必要性を示すものと言えよう。

 

 

 

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