「ふれあいサマーキャンプ」では、受け入れ側が3つのブロックに分かれ、各ブロックが20名の児童を受け入れている。南郷村は東郷町と1ブロックをなしている。平成9年度までは南郷村ではホームステイ(1泊)で受け入れていたが、今年度は受け入れが平日であったため中央公民館(1泊)を宿泊所に当てた。
(3) 実施主体と事業費
この地域間交流事業全体の主催団体は、宮崎県側は日向東臼杵南部市町村振興協議会、川崎市側は(財)川崎教職員会館・(財)川崎市生涯学習振興事業団・川崎市教育委員会からなる青少年地域間交流実行委員会である。南郷村からの派遣と村での受け入れの実施主体は、9年度までは南郷村教育委員会であったが、10年度からは、先述したように、国際理解教育交流推進協議会となった。
事業費は、派遣で約80万円、受け入れで約40万円である(平成10年度)。「百済っ子ふれあい探検隊」参加者1人の自己負担は1万円である。
(4) 成果と課題
交流の成果は次のようにとりまとめられている。
1. 都会の文化・生活を自分の目で見、体験することで本村では体験できない経験をすることができた。
2. 本村の自然の豊かさをあらためて実感することができた。
3. 川崎から戻っても、子供たちの交流はずっと続いている。
4. 日向東臼杵南部市町村の子供たちとも交流が図られ、交流の輪が広がった。
「百済っ子ふれあい探検隊」参加児童の「夏休み体験学習感想文集」が出されているが、そこから、これが参加児童にとっていかに大きな驚きに満ちた体験であったかを読みとることができる。
予算枠の関係で参加希望者を限らざるを得ないこと、ホームステイの受け入れ体制を整えることが徐々にむづかしくなっていること、などの課題があるが、この交流事業の効果は大きく、継続していくことが予定されている。事業の一層の発展には、国・県の支援が期待されるところである。