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1 花園村の概況

和歌山県花園村は、和歌山県清水町に隣接し、有田川の水源地域に位置するが、橋本周辺広域圏(橋本市及び伊都(いと)郡5町村で構成、同時に橋本地方拠点都市地域)に属する(図1)。花園村は約1155年前、弘法大師の高野山開創直後その弟子達によって拓かれ、明治に至るまで、高野山金剛峯寺の寺領として保護経営され、文化的、社会的に高野山の影響を直接受けている。

 

図1 花園村位置図

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花園村に伝わる国指定重要無形民俗文化財「御田の舞」(田の神を信仰し、田を護り、祖先を敬い、その年の五穀豊穣を祈願する古式ゆかしい民俗芸能、平安中期から継承)、国選択重要無形民俗文化財「仏の舞」(乙姫を仏の浄土に迎えるため龍宮に赴いた文殊菩薩は、龍王はじめ鬼たちに仏の舞を見せて説き伏せ、乙姫を教化するという女人成仏をテーマとする珍しい舞踊劇、花園村所在の遍照寺に伝承された仏教の古典芸能で、平安後期に起源をもつ。61年に1度しか演じられない幻の舞とされていたが、昭和39年からは古典芸能保存会によって、不定期ながらしばしば上演されるようになった。)は、花園村が長をもっていることを示している。

 

 

 

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