また、子供達同士も交流を続けていて、村の子が都会に出たときなど世話になっているようです。このように山留生のOB達(気になる八坂ふれあい証発行約700人)も八坂村に熱いエールを送っています。かつて子供達がお世話になったという気持ちで応援してくれます。村にとっては、OB達との交流を考えていくことも必要になっていくものと思われます。
○ 望ましい山村留学の在り方を求めて
山村留学二十周年を迎えるに当たり、村の各分野に広範囲にわたって様々な活性化効果をもたらしているという認識のもと、より望ましい方向を探るときがきています。山村留学を受け入れた自治体として、この山村留学事業は、青少年教育を中心に据えながらも、村政の各分野に多彩な影響をもたらしながら進められて、その地域の活性化と深く関わっています。具体的には、育てる会の山村留学センター「やまなみ」は、地域交流の場としての役割を担ってもらうことがお互いのプラスにつながります。センターで行われている収穫祭やそば祭り、切久保の新年会の行事など地域の社会教育施設の役割を果たしていると言えます。また、昨年(H6)から行ってきた教育委員会の「青少年自然体験教室」は育てる会の指導者を講師にお願いし、宿泊施設を借りて村の子供達が種々の体験をし、成果を得ることができました。生涯学習の展開という立場から、村民にとって大きな価値が見いだせるものだと思います。今後全村の理解を得ることや里親の拡大などが重要なポイントを握っていますが、地方の時代とも言われる現在、八坂村はこの山村留学とタイアップした新しい施策をしていくことが必要ではないかと思われます。
なお、八坂村では、昭和62年から教育委員会の内部組織として、「八坂村山村留学推進協議会」を設立し、普及・啓発・支援を行っているが、平成4年度以降のその予算の推移は表5のとおりである。
筆者が「やまなみ山荘」を訪ねたときは、ちょうど、夏休みの体験教室の開催中で大勢の都会の子供達と村の子供達とで賑わっていた。「育てる会」の会長の青木氏にもお目にかかることができ、氏のお考えを直接お聞きできたのは幸いであった。
なお、昭和62年のNHK朝の連続テレビ小説「はっさい先生」の主役をやった女優 若村麻由美は昭和52、53両年度、八坂村の山村留学生であり、その弟妹も八坂村に山村留学したことを申し添えておく。