2 交流事業「いいたて農の大地に生きる会」
(1) 自然環境と農村空間を生かした交流活動や農産物の産地直送などを通じて、生産者と消費者を直接結びつける新しい農業のあり方を求める、という理念で村の有志により設立され、行政がこれを支援する形で、平成7年にスタートした。飯舘村の村づくり、交流事業の核となっている。
きっかけは、昭和60年に農協が始めた飯舘牛肉の宅配事業「いいたてミートバンク」。第一便は750人、その後1,500人に増加して大成功を収めた。販路は全国であるが、県 内近隣の都市が多い。この成功に勢いを得て、農業の新しい方向性を検討してきた村 の有志たちが組織したのが「農の大地に生きる会」である。生産者と消費者を結ぶさまざまな交流活動、村の特産品の宅配のほか、農家への民宿や農業体験のあっせんなど、独創的な活動を展開している。平成8年には、東京・原宿にアンテナショップも出店している。
同会は、飯舘村の“ファンクラブ”会員を募集、入会を呼びかけた。 Iターンで村人になってくれる人、村外であっても村人と共に村の行く末を考えてくれる人、産品・施設を通して村のことを分かちあえる人を広く求め、「いいたてのことを一緒に考える人になってください」と訴えている。入会を呼びかける入会案内パンフの中で、菅野村長は“クオリティ・ライフいいたて”のキャッチフレーズで村づくりのビジョンを次のようにうたい上げている―「飯舘村のいちばんの魅力は、村に暮らす「人」だと思います。この村には、自分の故郷について熱く語れる人たちがたくさんいます。農村のよさや魅力というものは、自分たちだけが考えるのではなく、外との交流によって見えてくるものがかなりあります。