この時点で幼虫は捕獲される。殺菌、消毒や肥料との混合が行われ、このため幼虫はここで大半が死滅する。木の葉の収集によって捕獲される幼虫は、平均すると1戸当たり350匹、町全体で16万匹くらいと推定される。
(3) “カブトムシ自然王国”の誕生
カブトムシは子供たちのアイドルとして人気が高く、また容易に飼育できる。各地の農家が養殖し、市場に出回っているのは全国で50万匹とも言われている。このカブトムシの幼虫は常葉町では従来、活用されることなく捨てられていた。「どうだろう。姉妹都市提携をしている東京都中野区の子供たちにプレゼントしてみては…」という思いつきから、「カブトムシで町おこし」という同町のカブトムシ大作戦が始まった。
昭和62年、「常葉町カブトムシの会」を結成、(株)西友との共同企画として推進することが決まった。カブトムシが主役の産業おこしとして「カブトムシふるさと便」のタイトルが決定。初年度発送2,500個、翌年度3,000個と順調に滑り出した。「これはいける!」と勢づいて、昭和63年に「カブトムシ自然王国」の独立宣言をし、同年6月4日を“カブト元年”とするカブトムシ大作戦が本格的に幕明けした。