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明治6年、常葉村に置かれた区会所に日本の自由民権運動の先覚者、河野広中が区会長として就任し、全国に先がけて広議政治としての区民会を興すなど、自由民権発祥の地となった。明治31年に町制を施行、平成10年に町制施行百周年を迎えた。

 

(3) 人口、産業

人口(住民基本台帳)は平成10年(1998年)3月末現在で7,028人。10年前の昭和63年の7,323人と比べると295人減(男111人減、女184人減)。内訳は、自然増51人、社会減346人、高齢者比率21.3%、年少者比率17.5%である。

町の産業は、第一次産業から第二次、第三次産業への移行が大きい。平成7年国勢調査結果の構成比は、第一次産業27%、第二次産業44%、第三次産業29%で、特に第二次産業が大幅に上昇している。第一次産業の農業は葉たばこ生産の占めるウエイトが高いが、しかも最近の禁煙ブームや民営化の影響で、生産農家数、作付面積などが大幅に減少している。

二次産業の工業は工業出荷額(製造業)が年々増加する傾向にある。しかし、最近は企業立地も少ない。第一次産業は狭隘な土地条件と山間高冷地にあるため、また第二次産業は交通機関や地理的条件が悪いため、なかなか発展が期待できず、所得水準も県平均を下回っている。

 

(4) 財政

平成10年度(1998年度)の一般会計予算は歳入総額33億9,460万円。主な歳入構成は、町税12.5%、地方交付税58.3%、町債11.4%、国庫支出金4.2%、県支出金3.8%など。町民1人当たりの町税額59,980円、町民1人当たりの歳出額481,163円。

 

2 交流施策〜カブトムシ交流

 

(1) ときわビートル・プラン

常葉町は、人口減少傾向が止まらず、他市町村に比べて、定住条件の整備水準、所得水準も低い。これに対応するため、企業誘致も試みられているが、日本の現状からみて基本的な問題解決にはならない。むしろ、地域主体の産業開発、育成に努力すべきという考え方から、「トキワ・ビートル・プラン」を作成した。

このプランは、カブトムシによる産業開発、育成事業として企画立案されたもので、葉たばこ作業、シイタケ作業の中で捕獲されたカブトムシの幼虫を都会の子供たちに送り、カブトムシを通じて都市との交流を促進することにより、同町の産業として発展させようという狙いである。

 

 

 

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