市民オペラの合唱は、ここのところ暫く固定した合唱団に受け持たれていましたが、今回これに藤沢市合唱連盟が加わりました。
25年前の“フィガロの結婚”当時と現在では、市内の合唱団事情も変化しいて、当然今回のような形での参加は望まれていましたから、24名のオペラ初体験グループが誕生したわけです。
さりながら、ひとつの合唱団というわけではないので、連絡をとるのもいちいち大変ですし、その上ハードなスケジュール表を渡されたら、落ちる人も出て来るのではと心配しましたが、このグループの人達の協力は凄まじく、すべてをクリアして今ステージに出ようとしています。初参加の人達のキラキラした初心が、ベテラン合唱団に混じり輝くのをこの目と耳で確めたいと大変楽しみにしています。
今年はかながわ・ゆめ国体の年、昨年のリハーサル大会に引き続き2年間、オペラなどには無縁の体育会系の人達と仕事をしました。そして改めて市民オペラの市民という意味にいま拘っています。
ともあれ、今秋国体協力合唱隊に延べ600名以上、オペラに100名以上、12月第九200名と連盟所属の合唱団員の大半が手を繋ぎ活躍、その成果は来年に期待したいと思っています。ご声援をよろしくお願い致します。
藤沢市民交響楽団
団長 塚本雅一

また、藤沢市民オペラの年がやってきた。ほぼ5年に2回の割合で行われている、このオペラ。今回は、3年前の“ウィンザーの陽気な女房たち”以来でこの3年のインターバルは、オペラ出演を楽しみにしている我々団員にとっては、ちょっぴり長い感じもする。
しかし、この3年間、様々な指揮者の方々をお迎えし、藤響初挑戦のプログラムも演奏することにより意欲的な演奏活動を行ってきたつもりである。
オペラにおけるオーケストラの役割は、すでに御存知の通り、オペラの進行をすべて司っているものと考えられる。よくオケは“縁の下の力持ち”と言われるが、オーケストラピットから客席、舞台に流れ出る音こそが、すべてを支配していると私は思っている。
であるが故に、演技上あるいは歌唱上の微妙なニュアンスを引き出すべく、微妙で緻密な音が要求される訳である。
我々藤響はここ数年、音を出す喜びから少しずつではあるが、音を重ね合わせるアンサンブルの喜びを感じつつ、演奏活動を行ってきている、と思う。団員1人1人にその響きに対する意識が芽生えてきていると思う。
ワーグナーの音楽は、そのスケールの大きさと実に繊細な面とが組み合わさった音楽と言え、我々はこの数年、数多くの指導者の方々から学んできたものを、この音楽にぶつけたい。
序曲に始まる若杉弘氏の引き出す藤沢市民交響楽団の音色に、どうか御期待あれ!