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2. 意識と態度に変化をもたらすこと:マスメディアや研修、カウンセリングなどいろいろな手段によって、地域社会や、患者やその家族、保健行政にたずさわる人々などが積極的な考え方に切り換えられるようにはたらきかけることが、社会を融合させ、スティグマや偏見を取り除くのに、もっとも重要なことである。

 

3. 能力をつけること:

回復者に情報や教育、技術、資金を提供し、彼らが自立した、尊厳に満ちた人生を送られるよう意欲を与え、個人の能力を十分に発揮できる機会を平等に持てる環境を築くこと。

 

4. 地域社会を基盤とするリハビリテーション(CBR):

実状にあわせて多少の修正を加えた地域社会を基盤とするリハビリテーション(CBR)が多くの発展途上国ではふさわしい。これによって自営業や簡単な技術で自立した生活が可能になる。特に変化を起こす原動力になりやすい女性に焦点をあわせて行うのが望ましい。

 

5. 地域社会がとるべき行動:

回復者の受入態勢とリハビリテーションに対する実際の原動力として、地域社会の支援や取り組みを得るために、より上手くコミュニケーションをはかり、実地研修やカウンセリングなどによって、地域社会の意識を高めること。

 

6. 受け入れ施設や支援サービス:

CBRは、受け入れ施設や支援サービスを通し、身体的・医学的、またリハビリテーション上の、多様化する個人のさまざまなニーズを満たすことができて初めて成功する。(しかし、施設による過剰なケアは避けるべきである)

 

7. 差別的な法律:

差別的な法律が施行されている国や州では、それらすべてを撤廃しなければならない。回復者に関する適切な用語を、回復者の完全な同意のもとに考案されなければならない。

 

8. 行政の枠をこえた取り組み:

社会的・経済的な側面を重視した総合的なリハビリテーションは、国連の各機関や各種NGOなどとともに、この問題に関わりを持つ政府の各省の協力により可能になる。政府レベルで行政的な取り組みをすることが肝要である。

 

9. 非政府組織(NGO):

国際的NGO(ILEPやILUなど)や国家レベルのNGO(ハンセン病関係やそうでないもの)などを含む各非政府組織の役割は、リハビリテーションを推進する積極的な活動と資金確保において、今後非常に重要となる。

これらの各組織は、十分研修を積んだりハビリテーションの専門家を確保したり、現場と中央の橋渡し役になるなどして、活動をいっそう強化しなければならない。

 

10. 研究:

現在行われている新しい、効果的で能率的なリハビリテーションの方法の発明研究や、社会的な面での調査、市場調査などにも、将来的な状況改善にかなりの成果が期待できる。

 

 

 

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