社会的な側面とリハビリテーションに関するワークショップのまとめ
モデレーター:C.S.ウォルター博士
中心議題:回復者に、一般と変わりのない生活環境を保証し、満ち足りた人生を送る機会を作り出すこと。
主な問題点:
1. 回復者人一人が、個人の能力を十分生かすために必要な平等の権利と機会を持つことは、人権に関わる問題である。
2. ハンセン病とその病気がもたらす影響は、差別やスティグマ、偏見などにつながる複合的な人権問題である。
3. 各国で必要とされているリハビリテーションに対する理解が十分でない。
4. 医学的治療(MDT、手術など)の有効性ばかりが強調され、心理的・社会的・経済的面を含めた総合的なリハビリテーションがおろそかにされ、回復者の生活の質の低下を引き起こした。
5. 回復者達は、彼ら自身の開発、自信と自己表現の場をとり戻すための決定や問題解決の話合いに関わり合ってこなかった。
6. 地域社会や保健行政に関わる人々が、適切な態度や配慮に欠けている。そのため、回復者が能力を身につけて自立しようとするのを、総合的に援助できていない。
7. 回復者の状況を十分に改善するために活用できる資金は乏しい。そこで、国際機関、NGO、政府レベル等での協力・調整が必要だが、これが十分にできていない。
提言:
1. 各国で必要とされているリハビリテーションの現状査定:
既存の手段を使って、世界的/国家的/現場の各レベルで、リハビリテーションの必要度、適切な介助や修正に関して、必ずしもすべてにリハビリテーションが必要ではないことを考慮した上で、特別な措置を取れるようにすることが急務である。