日本財団 図書館


『さまざまな写真や展示に囲まれて此処にこうして立っておりますと、「尊厳の確立」というテーマが伝えるメッセージに深い感動を覚えます。ハンセン病に有効な治療法を見つけたことは、今世紀の医学上の画期的な成果ですが、完治した方々、あるいは今後完治される方々に、個人としてのアイデンティティと人間の尊厳の回復がなされない限り、まだ目標は半ばしか達成していないことになります。この問題を広く世界に向けて提起された勇気ある活動に対し、私はアイデアのみなさんに心からの祝辞を贈りたいと思います。社会の中に進み出て自らの体験を語ることを通して、世界の人々を啓発して下さったみなさん方に敬意を表します。みなさんの勇気、尊厳そして努力こそは、かつて恐れられたハンセン病に対する人類の勝利の最も鮮烈な証明です。』

024-1.gif

 

アイデア会長の鄭相權氏(社会経済問題担当)は、ハンセン病の患者・回復者総ての人々のための社会・経済的なリハビリテーションと、尊厳の確立を目指す活動にアイデアがいかに幅広く取り組んでいるかを語りました。同じくアイデア会長のP.K.ゴパール氏(渉外担当)は、『人類がハンセン病に完全に勝利したと言えるのは、ハンセン病による身体の障害に苦しむ人がなくなり、患者や回復者が隔離されたり差別されることなく、社会の市民として正常な生活が営めるようになったときです』とその挨拶を締めくくりました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION