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1998 国際保健協力

フィールドワーク・フェローシップに参加して

指導専門家として感じたこと

 

都築正和

 

国際医療福祉大学保健学部教授

東京大学名誉教授

 

国内研修に参加してまず感じたことは、私が医学生だった頃-既に40年余り経過しているが-に比べて積極的に国際活動に参加しようという意気込みと、大学の垣根を越えて共に行動するという自然な取り組みが出来ている人々だということであった。私の学生時代には海外に行くことはすごく大変な時代であったし、また国内でも大学間の交流は運動部や文化部などのサークル活動に限られていた。NGO, NPOなどの言葉や概念も無かったし、国際活動についても自分で関わりを感じることもなかった。国際交流が学生活動の中に入ってきたのがいつ頃なのだろうか、しかし現代の学生諸君は国際交流活動に参加して地道なそして板についた生活を身につけているのだなということを先ず感じた。翌日、成田空港のロビーに集合したグループに入ってごく自然な雰囲気の中で出発できたのはこのような日常の学生生活の延長であり、こちらも学生との交流に以前より身近に接している先生である影響かななどと考えているいとまもなく飛行機は3時間あまりでマニラ空港に到着した。

マニラ空港ではWHO事務所の人々が出迎えて下さったが、年かさのフィリピン人から“How is Dr. Ishidate?”と聞かれ、あ-薬学の石館先生のことだな-と思い国際的に活躍しておられた先生のことなど急に懐かしく思い出した。現地の人々との触れあいが重要なことをあらためて認識した。

私の今回のフィールドワーク・フェローシップに参加して得た多くの「感じたこと」の中からここでは次の二項目について絞って感想を記し、参加された学生諸君に将来何らかの参考としていただきたい。

 

 

 

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