フィールドワークフェローシップに参加して
竹山信之(昭和大学医学部4年)
私がフェローシップに参加にした理由を正直にいいますと、他の学生よりもちょとだけ公衆衛生活動に興味があって、大学の部活動で夏期休暇限定に北アルプスにて山岳医療のボランティア活動をしているという事と、またフィリピンという外国の医療を見せてもらえれば、日本の医療の現状と比較できて今後より広い視野で医療が見えるのではないかという単純な気持ちだけからでした。実はこのフェローシップに参加する前日まで、私は今まで国際意識や国際的視野を持ったことはほとんどなく、恥ずかしながら国際医療協力の実態やその機関に対して知識も興味もあまり持っていませんでした。ただ海外での医療を見ることができるという好奇心と南国フィリピンに行きたいという気持ちで望んだ私でしたが、この研修に参加して学生達の知識と経験・モチベーションの高さ・英語力に衝撃を受けたのと同時に自分自身も多くを吸収せねばと思い、積極的に望みました。実際帰国後は影響を受けて私自身がかなり変わったと思います。国家試験に固執した大学の医学に疑問を持っていた私にとって、また医療に対する視野も狭く考えも硬くなっていた私にとって、国内研修、海外研修は本当に新鮮で、海外医療や医療協力に目を向けている学生と討論をすることはいい刺激になりました。
実際、日本に帰ってきてからは、この研修でできた友達から情報をもらったりしていろいろな勉強会に参加したり、また英語の勉強を始めたりして、研修前後で国際医療協力に対する意識、視野、動機が確実に変わったと思います。アジアの医学生との交流活動をしているAMSA-JAPANにも参加しました。これは何をしたらいいか分からなかった以前の自分には考えられなかったことです。また国内外の研修で厚生省の医官やWHO、JICAで働く日本人医師に現場の話を聞けて、自分の将来に対して大いにプラスになったと思っています。特に公衆衛生や医療行政はメインが対大衆なので、患者の訴えを逐一聞く臨床医と違いグローバルな視野が必要だと感じました。色々な人の話を聞き勉強させてもらいましたが、最終的に実感したことは、簡単に海外医療協力や医療行政といっても、現地で行う臨床医療の技術は実際必要で、国家試験を通った医者が海外に出てもすぐ何か出来る訳ではないということです。また将来世界に出るつもりならば、それなりの英語力が必要で日頃から英語力を鍛練する努力が必要だということでした。今の自分に言える事は、大学病院で臨床研修をして何年か経過して、一ヶ月位暇ができるチャンスがあって、ちょうどその時NGOやJICAなどが医師を応募していればいく事が出来るかなと思っています。その時がくるまでそっと自分の中で温めておこうと思っています。
最後にフィリピンでの研修では、人と人との関わりの大事さを大いに実感しました。フィールドスタデイー先の人達は皆歓迎してくれて、本当にうれしかったです。自分のつたない英語力では正確に伝わらなかったかもしれないが、気持ちだけは伝わったと思います。
そして何事もトライしていく勇気があれば良いと思いました。