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3月11日(水)

 

○本日のスケジュール・内容

9:00 Jose Rodriguez記念病院訪問

13:30 Urban Health Center訪問

15:30 Department of Health訪問

  |  Dr.Ureta、Dr.Abella、Dr.Lopez、Dr.寺崎、大角

17:30

 

・ホセロドリゲス記念病院について

フィリピンには8つのハンセン病関連病院があり、そのひとつがマニラ北方35kmのタラ村にあるホセロドリゲス記念病院である。1939年に設立され現在は院長Dr.Viardo指揮のもと、26人の医師がハンセン病患者のみならず、一般患者の外来も受け付けている。現在ハンセン病患者は約1180人いるが、陰性患者の多くは村で暮らしている。患者は全て無料で入院生活を送っている。これは笹川財団などの支援によるところが大きい。病院内は、多磨全生園と異なり、患者の年齢層に幅がある(最年少は9歳)。Dr.Samsonはスライドを中心に講義してくださったが、メインはDr.の専門である形成外科的な内容だった。フィリピンでは1955年に法改正が行われたが現在でも差別は少なからず残っているということだ。

 

・Urban Health Centerについて

ここは日本の保健所に相当する機関だが、業務内容は疾病の予防(予防接種等)に留まらず、口腔保健(要するに歯科治療全般)、さらには婦人科疾患(検査及び妊娠・出産など産婦人科領域の全て)をも扱っている。となると日本と同様に、住民はより高度の治療を求めて大病院へ行ってしまうのではと考えられるわけだが、そう言った病院はいつも非常に込んでいるため、何かあったら皆とりあえずここに来るというかたちで住み分けがあるそうだ。

 

・DOHについて

ここは日本の厚生省に相当する機関で、内部は厚生省と同様、更に幾つかのdepartmentに分かれている。まず我々はDr.Uretaを訪れ、現在の海外からの援助協力に関する資料を頂き、その内容について説明を受けた。以下Dr.Abellaからは主にハンセン病の制圧について、またDr.Lopezには感染症対策、家族計画、地方分権についてお話を伺った。1989年から始まったMDT(Multi Drug Therapy)によってLeprosyの有病率は年々減少し、目標である「2000年までに有病率を1名/人口10000名に」は1998年中に達成できそうであり、引き続いて根絶を目標にプログラムを続けていくこと、日本からだけでなく様々な国から、また様々な点に関して援助を受けているが、21世紀にはこれらを自前で行えるよう考えていることなどを教わった。更にDr.寺崎、大角にはセブ島で行っているNTPA(National T.B.Program Activities)について講義していただいたが、こちらは患者を見つけることから今いる患者を治すことに重点を置いて有病率を滅らすことに成功したこと、プロジェクトの評価は最終年度に1年かけて行い、継続するかどうか決めることなどが印象的であった。

 

 

 

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