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○夜のディスカッション

1. フィリピンでの医学教育について

(1) 制度;米国式

1]1年 高校卒業生40名(内申書と面接)入学

2年

3年 理科系学士取得者120名入学

4年

5年

6年

7年 インターン その後2年間無給奉仕

2]公衆衛生学は医学の一部ではなく独立

(2) 中身;日本と似る

入るのは難しく出るのは易しい(授業には不熱心、ほぼ全員卒業)他学部との交流なし

(3) 卒業後進路

・待遇のよい民間病院に人気があり、卒業生の70%が民間病院に進む。但し公的機関で働いていても、開業は自由。

・ほとんどの学生が臨床に進む

・個人で職場を選べる

(4) その他

・学生は中流階級以上の出身が多い(授業料も高いし入学も難しい)ので、貧しい地区の実情については知らない者が多い。

・教員の評価は学生と同僚による

・今回知り合えたUP学生をはじめ、スタッフの方々との交流を続けていきたい。

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フィリピン大学訪問

米国の植民地であったため、制度は米式である。しかし、中身は日本と似ており、アジアの一員同士文化的に根の部分は近いように思えた。それは、他のいろいろな場面、例えば、村でのフィリピン人との交流においても感じられた。

外国への援助においては、相手国の文化や生活を尊重することが大切である。その点日本はアジアへの援助をしやすいはずである。

しかるに、日本が相応の評価を受けない理由の一つに、日本のアジアに対する戦争責任の取り方があるのではないかとの話があった。医療保健の分野での援助についても単に医療保健の知識・技術があればいいというものではなく、相手国の文化、歴史をも含めた総合的な視点を持っておくべきである。

 

 

 

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