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ディスカッション

 

A:国際保健協力について

1]協力する主体としての日本

[問題点]日本の国際協力は理解されにくい

(原因)*日本人はアピールするのが苦手である。

*日本の雇用体系、人材育成方法が国際協力向けでない。

ex)・日本では、短期間の国際協力の経験が評価されない。

・医学部教育で、国際協力分野が取り上げられていない。

(解決策)*日本の良さを評価し直す。

ex)・体温計・血圧計が広く家庭に普及しており、一次スクリーニングが身近に行われうる。

・戦後復興に用いられたノウハウの再整理をする。

*日本人の特性をいかした協力方法を作る。

ex)・グループワークを得意とする日本人を、国際機関の中で、独自のセクションで活動させる。

*現在あいまいとなっている戦争責任の処理を行う。

2]協力を受ける相手国

[問題点1]援助受け入れ国は長期的視点に立ちにくい。

(原因)*即効性を持つ協力を求める。

[問題点2]協力国との文化、習慣の違いにより協力が制限される。

(解決法)*医療だけでなく、社会・経済など多分野にわたるチーム援助を行う。

*自国の医師を育て、その国に彼らが残るような貢献をする。

3]協力の実行の仕方

[問題点1]協力の対象と目的をどう定めるか。

ex)レベルは国レベルか、民間レベルか。プライオリティをどこにおくか。

(解決法)*最大多数の最大幸福を目指す。

*現状の数値化を行う(しかし元になるデータが信頼性がない)。

*相手国のニーズに従う(ときに衝突も交えつつ)。

[問題点2]複数の協力組織間の連携が不十分。

(原因)*援助方式が異なる。(ナイチンゲール方式(自助努力を促す)とマザーテレサ方式(一方向の援助))

(解決法)*協力組織どうしがお互いを認め会う。

*問題が生じたら積極的にドナー会議を開いて交渉する。

*WHOを国際協力組織間のオーガナイザーにする。

*GO,NGOのメリットに応じて棲み分けを行う。

ex)GOのメリットは大規模なプロジェクトが出来ること。NGOのメリットは地元のニーズに合った方法でプロジェクトが組めること。

 

 

 

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