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表12 各村落の住民検査数と1998年中に血便を呈した患者数と陽性率

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一方、表12に1998年1月〜7月までの間に血便を呈したことのある患者の割合を示した。血便を日本住血吸虫の再感染の1つの徴候と見なすとSan PedroとMalaboが再感染の機会が高く、それにSan Narcisoが続くという結果になり、IgM抗体陽性率からの推測したものとは異なる結果であった。

 

表13 各村落の日本住血吸虫症による肝臓病変の超音波所見の1年間の変化
(1997年7月〜8月あるいは1998年2月〜3月の超音波検査結果と今回の検査結果を比較しての肝臓病変の悪化群と改善群の百分率)

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表13は今回肝臓の超音波検査を施行した各村落の住民のうち1997年7月から8月あるいは1998年2月から3月の検査所見と比較して超音波画像上悪化した群と改善した群の百分率を示したものである。松本ら(1998)による上記の3村落の小学校児童に対するELISA陽性率はMalabo(123/174=70.7%)と、San Narciso(43/118=36.4%)、San Pedro(42/132=31.8%)では陽性率に約2倍の差があるが、夫々の村落住民の超音波所見の悪化群(20.8%、10.0%、36.0%、36.4%)及び改善群(16.7%、30.0%、8.0%、9.1%)の百分率と小学校児童のELISA陽性率との相関は窺えない。

 

3. 考察及び展望

 

本研究は小学校児童の血清ELISA検査の結果より日本住血吸虫症罹患率の異なるフィリピン共和国ミンドロ島の4村落の同症患者の肝臓の超音波所見の経時的変化を観察したも

 

 

 

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