る。また,チーム医療,チームケアに対する理解についても深めたい。あらゆるケアには,専門職がチームを組むのが最も効果的であり,そのため他施設のサービスメニューを熟知すべきである。その上で,殊に在宅ケアのような現場で求められる態度,例えば生活の質を重視する態度や家族との距離の取り方などの臨床経験を,他職種とともに学びながら,蓄積することを心掛けるとよいと思われる。
V 結語
門前薬局のない当診療所の院外処方を契機に,町内のすべての薬局が医療・保健・福祉の連携に加わった当町のシステムについて概説するとともに,若干の評価を加えた。この試みは,外来・在宅患者ともにメリットがあり,さらに医療・保健・福祉の連携を強化・活性化し,在宅を主とする地域ケアの推進および質的向上に貢献している。地域の実状に沿えば,「薬局の地域化」を促進する方法も地域医療のすすめ方のひとつと考えられる。
文献
1) 厚生省薬務局企画課:薬剤師の在宅医療への参加指針.薬事日報社,1994.
2) 奥野正孝:へき地診療所における薬剤の副作用および服薬状況の実態. 第1回全国国保地域医療学会優秀研究表彰研究論文集 22-25,1998.
3) 厚生省健康政策局計画課:かかりつけ薬局推進モデル事業.平成6・7年度地域保健推進特別事業事例集 132-133,中央法規,1997.
4) 宮森 正,奥野正孝:在宅患者の管理.医学講座対談集 166-172,1992.
5) 荒井由美子,鷲尾昌一,遠藤英俊:ケアマネジメント.からだの科学(203)2-7,1998.
6) 大須賀俊裕,斎竹達郎,伊藤 徹:渥美郡部における「医薬分業」に関する意識調査.日本農村医学会雑誌 43 388-389,1994.
(国保赤碕診療所 〒689-2501 鳥取県東伯郡赤碕町大字赤碕1920-74)
(鳥取大学医学部臨床検査医学 〒683-0826 鳥取県米子市西町86)