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毎日往診処置をするも,13日の早朝より血圧が徐々に低下し死亡された。

この2つの症例は,共に比較的若い年代の女性の癌の在宅ターミナルケアで,これからの将来を残しながらの惜しまれる死であった。しかしながら,自分の死を受容し,最後まで自宅で希望通りの生を全うした姿には多くの事を教えられた。このような在宅死が可能な条件は,1)本人の理解と納得(死の受容),2)家族と近親者,さらには地域の理解と協力が得られること,3)それをサポートする介護や医療システムがあることである。

 

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写真7 木造建築のパナウル診療所

 

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写真8 園児とのふれあいで-

 

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写真9 健康づくりの定例ウォーキング

 

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写真10 有機農法のマンゴー園

 

V 共に生きる心

私と殆ど時を同じくして与論島の死のあり方を人類学的な立場から研究している近藤は,与論高校生約250名にアンケート調査を行った。その結果,死生学の見地から子供の頃から身内の死や地域の人々の死に接している高校生は,死の問題を深く考え,地域の伝統的な考え方を継承していることを確認した。最近,死を日常生活から遠ざけてしまった社会において,改めて死の準備教育の必要性が問われているが,与論島では地域社会の日常生活の中で自然の形で行われていることが理解できる。さらにこのことより,死を特別なものとして隠すのではなく,自然な形でみつめていくことにより命の尊さを教えることができ,よりよく生きるための教育につながると考えられる。与論島に住んで約10年,自然の力の偉大さと,自分がそれによって生かされているという生命の根源を知って,共に生きる事の大切さを学んだ。地域には地域の文化があり,医療がその人々の上を支えるものなら,地域にあった医療の姿があるべきだと思う。プライマリ・ケア医としての知識や技術を駆使しながら,地域の人々と共に生きることこそ,これからの医師のあるべき姿ではないだろ

 

 

 

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