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そうでないと、価値が混乱してしまうと思います。遠藤さんが、ループが大人にはいいという結論をお持ちになるのは、これはあたっている。一方、子供に対してのループは今後、どんな可能性と変更があるか、短時間で説明してください。

立入/補聴器の、受信感度は補聴器毎にまちまちです。受信のレベルが変わってきます。大人の場合、自分でボリュームを変えればいいのです。小さな子どもに同じ要求は出来ません。コードに近ければ強く入力されてしまいます。お辞儀をすると音が途絶えます。教育場面特に子どもに限ればループと言う選択は難しいと思います。信号の安定性とか、重度のお子さんにとって低い周波数の補聴が重要だと言う点で赤外線が有利です。

遠藤/大人の難聴者の催しに必ずループが求められるのは、小さい会場にも、大きい会場にも簡単に設置できること、工夫すればよく聞こえるようにできること。他に特別な受信機を必要としないことによると思われます。学校に於いても赤外線は屋外では使えないので運動場などではループになるのではないでしょうか。蛇足ですが、全難聴としてFM利用への取組が急がれると思います。

大沼/ありがとうございました。

もう1つ。電話のグラハムベルがヘレンケラーとサリバンと会話してます。(スライド)グラハム・ベルのお母さん、ベルの奥さんも聴覚障害者です。150年も前のことです。もし何か危険なことがあった時に、伝えたいと考えた。火事があったときに警報が鳴る。そのときに奥さんが聞き取れる装置を作った。これは特許を取らなかったけど、そんな風に耳の聞こえない人の聴覚をさらに使う、耳の聞こえない人に情報保障する方法を考えた。代用されるための歴史は百何十年前から行われていますが、あるいは、今日聾唖連盟の方がいるかどうか分かりませんが、耳、聴覚をどうやってもっと使えるようにするか、補聴援助をするか、一方で同じ聴覚障害者の集団に耳なしでもやっていきたいんだという声と、2つの主張がある。世の中一般の理解を求めるときにどっちだということになる。これからは、聾唖連盟が、聴援助システムを使うことに反対しないで、できれば協力してほしい。仲間内で反対の意見があるというのはウィークポイントですから、これは実は重要な問題だと思います。人工内耳の決断をするときの心理、聞こえないままでいいという心理この二つの葛藤があると思いますが、時間があれば藤田先生にもっと聞きたいところなんですが、私がコーディネータとして問題提起しておきます。

もう一つの提案は、先ほど私は耳を使う専門家はオージオロジストと言いましたが日本でオージオロジストという人はいないんですが、誰がそうかというと、五つの専門家がいます。耳を使うことの専門家にユーザがはいっていないんですね。オージオロジストというのは、ユーザではないです。客観的に評価する人は別でいいんですが、聴覚からの情報についてもっと聞きたいという時にいろいろな相談施設や組織を作っても、今大学ですら外部評価を受けるようになっているのに、自分の大学だけで勝手に良いものだと思っていると駄目なんで、世の中のために合わないことができるかもしれないので、外部評価委員という組織ができています。ちょっとここでは嫌がられるかもしれませんが、補聴器専門店に、物申すという時に、たまたま「いくおーる」が29号でしたか、補聴器店に何を期待するかという特集がありました。

 

 

 

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